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特集記事

えびす祭・福娘って何?

えびす祭。えべっさん。または十日戎とも呼ばれる。

それは、1月9・10・11日に行われる、商売繁盛のお祭りで、えびす様をお祀りしている神社(とくに大阪を中心とする関西地域)で盛んに行われている。


えびす様は鯛に釣竿を持って、海の彼方からやってこられたと言われ、もともとは漁を司る神様である。やがて浜の魚市場の守り神となり、貨幣経済の発達とともに商売繁盛との神様になっていった。その由来から、現在では海外との取引を司る神でもある。


(当社所蔵の掛け軸より。大きな鯛を抱えたえびす様と、そろばんをはじいておられるえびす様)


そんなえびす様を接待してさしあげて、そのおしるしとして福笹や縁起物を授かるのが「えびす祭」。そこでさまざまな縁起物が授与所に並ぶ。




えびす様・大黒様のお面、鯛、米俵、小槌、小判などのついた、笹・熊手・箕。


熊手で福をかきあつめて、箕で収穫する。あるいは宝船を授かって、好機到来の願掛けをする。などなど、それぞれの稼業によっても、お店や会社によっても、授かる縁起物はさまざま。


これらの縁起物をお授けし、福をまいているのが、金烏帽子をかぶった「福娘さん」である。


福娘さんは、えびす様と人の仲を取り持ち、福徳を人々に授ける。金の烏帽子はその象徴であり、もはや、大阪の新春の風物詩と言ってもいい。


笑顔よしのべっぴんさんで、眼福を授けられる人。明るさでまわりを幸せな気持ちにさせることのできる人。いるだけで縁起が良い感じの人。そんな人が「福娘さん」に選ばれる。


片埜神社の福娘さんは、地元駅前の商店会の協力で選ばれ、えびす祭を皮切りに一年間、福を授ける活動をする。(筆者注:現在は、「福娘実行委員会」が商店会から独立し、より幅広い方々の協力を得て活動を行っています)


選ばれるとまずは、枚方市長に御挨拶に行き、枚方・牧野の福の顔となったことをご報告(写真は平成30年末に枚方市長を表敬訪問時)。


その他、さまざまな場所で福をお授けし、枚方・牧野を盛り上げる。


祭りの前には祓いを受け、祭り当日は、片埜神社独自の「えびす舞」を奉納。


片埜神社ご本殿は、国指定の重要文化財。

千年以上の昔から、牧野に鎮座している。

豊臣秀吉公から、大阪城の鬼門守護と定められて以降、立身出世・商売繁盛・社運隆昌にも霊験あらたかと伝えられる。


えびす祭も、地元商店や企業とのパートナーシップで活動する福娘さんも、百年、二百年、三百年と続いていく予定である。


今、私たちが江戸時代の浮世絵を見て、昔の美女に思いを馳せるように、

三百年後の人々が、今の福娘さんたちの写真を見て、「三百年前の福娘さんて、こんな感じだったのだなあ」と、古(いにしえ)に思いを馳せる日がくる。


と考えると、愉快、痛快。


福娘さんの子、孫、ひ孫が、また福娘さんになる。そんな日もくるかもしれない。

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